北海道某所に存在するファミリーレストラン「ワグナリア」。小鳥遊宗太がひょんなことからバイトとして働くこ
とになったこの店は、個性的すぎる店員達がばかりが働くファミレスだった。そんな小鳥遊と店員達が元気に危険に活躍するファミレスバイトコメディ!!
ドラマチックこそ、人生です。
スクウェア・エニックスの漫画雑誌であるヤングガンガンに連載されている4コマ漫画。
メールフォームで多くの方から「岡本さんが好きそうなアニメだと思います!」との意見を頂きましたのでレビューさせて下さい。私は家庭の事情で高校生の頃
から1人暮らしをしていまして、アルバイトは生活の根本的な部分を占めていたのでこのアニメのあらすじを拝見した時は早く観たくてどうしようもありません
でした。人は何故働くのか?その答えは簡単です、お金が欲しいからです。それ意外の答えは思い浮かびません、この時代は何をするにもまずはお金が必要に
なってくるのです。そんな「働く」をメインにしたアニメ、楽しみで仕方がありませんでした。
■日常的アニメのゆったりとした雰囲気はあるが、物語が進むスピード感があるため見ていてまったく飽きない
本作は日常系を主とするアニメには不可欠のキャラクターの個性が確立した点を評価したい。しかも、ただ個性を主張しただけ出してそれまでの出オチ系の類で
はなくい、なぜそうなってしまったのかという経緯を物語やコメディの流れに絡ませて丁寧に描写していることが素晴らしかった。伊波という女子高生のキャラ
クターが登場するのですが、この伊波は男性恐怖症で男性を観ただけで殴ってしまうキャラクターです。最初観た時は「おいおい・・・」と引いてしまいました
が、伊波なりの対策や悪気を感じて自分の誠意を伝える姿勢、男性恐怖症を治そうと努力する頑張りや、他のスタッフのサポートをギャグを織り込ませながら描
写していく。これによって、回を重ねるごとに寧ろ愛おしくなってしまう程に伊波が好きになってしまう。
その他のキャラクターも個性豊かで、特にぽぷらはその場を和ます雰囲気を醸し出したり、その空間を体験し幸せそうな表情をする小鳥遊とか、個性豊かな表情
や仕草を物語りに彼方此方に配置してあるスタッフ陣の対応が素晴らしい。そして、こういう作品を語るに置いて忘れてはいけないのが男性キャラクターの存
在。こういった女の子が多く登場する作品は男性キャラが雑になり、魅力を感じない事が多いです。同性しか出さない作品、ハーレム系な作品なら別に構わない
がせっかく異性が登場しているのだから両方を魅力的に描いてこそだと私は思いますが、本作ではそういった対応はしっかりと施されているので絡みが面白い
し、ラブコメも見応えがある。
高校生がメインとなるアニメ=学校が舞台。はアニメの通例のような物でしたが、本作は仕事場が舞台なので、言葉遣いとか距離感が新鮮でした。
■惚れるまでの関係→惚れた後の関係
コメディ主体の物語でありながら男女の仲の在り方、すなわち恋愛要素が盛り込まれている。主軸となってくるのが物語の主人公「小鳥遊」女装が似合うせいで
女の子っぽい高校生、方や男性恐怖症な女の子なのに男の子っぽい伊波。物語の序盤は小鳥遊の視点が中心となって物語が展開していく、伊波に殴られたりする
と「女の人はもっと可愛くあるべきだ」とボヤキ始めたり、女性らしさや女の子らしさといった事を追求していったりする。中盤からは伊波の思っていることが
よく描写されるようになり、だんだん視聴者も伊波のことがわかってくるようになる。伊波はそもそも「男性」が苦手なだけで別に「嫌い」な訳じゃない、だか
ら伊波は伊波なりの「女の子らしさ」を追求するような描写も何度か描かれている。そして終盤、小鳥遊が伊波父を叱咤したその姿に伊波は小鳥遊の「男らし
さ」にときめいた。恋愛の根底部分、人は何故異性を好きになってしまうのか?単純に男女の何気ない女の子らしい仕草や、男の子らしい行動や発言に惹かれる
わけである。そんな恋愛における当たり前な部分をこの作品ではしっかりと描かれ、尚且つ「女装が似合うせいで男の子なのに女の子っぽい主人公」と「男性恐
怖症のせいで暴力的になってしまう女の子なのに男のっぽい伊波」この設定は男性の凄みや強さ、女性の可愛さをより強調させる伏線だったという事になる。
ギャグ展開から一気にラブコメ路線に切り替わるも伏線がしっかりと施されていたので何も気にすることなく観れた。
伊波 まひる
「ワグナリア」フロア担当。17歳の高校2年生。やや癖のあるショートヘアと、左のこめかみに付いた2個のヘアピンが特徴。なお、ヘアピンは小鳥遊に褒め
られて以来毎日変えている。
本来はおとなしく優しい性格の少女だが極度の男性恐怖症で、男性に近づかれたり触られたりすると老若人畜を問わず本能的に殴り倒してしまう癖がある。しか
も壁や電信柱などを軽々と破壊できるほどの腕力を持つ。生身はおろか絵や写真にすら拒否反応を起こす為、趣味は読書になっている。
小鳥遊は当初「命の危険があるから」という理由で伊波と同じシフトにされていなかった。初めて2人が対面したのは杏子のシフトミスによるもの。現在は恐怖
症克服と被害拡散防止のための「世話役」である小鳥遊を主に殴っている。当初は自身の癖や小鳥遊の趣味が原因で仲が良くなかったが、何度殴られても根気よ
く接してくれる彼に少しずつ心を開いていき、あることをきっかけに恋愛感情を抱く。とはいえ男嫌いを克服したわけではなく、相変わらず小鳥遊のことは殴っ
てしまう。
男嫌いであるために、買い物が満足にできない、公共の乗り物を利用できない、男性教師の授業をまともに受けられないなど、日常生活にも大きな支障が出てお
り、アルバイトの志望動機は「男嫌いを治すため」である。現時点で男性に対する接客が満足にできた様子はないが、逆に女性に対する接客はほぼ完璧である。
男嫌いになったのは、幼少時代に自分を溺愛しすぎた父親に、徹底的に「男は危険なもの」と刷り込まれたことが原因。恐怖症をのぞけば真面目で常識的だが、
パニックに陥りやすく焦るとピントのずれた言動をするほか、照れるとチョコを溶かしたり機械を壊すほど体温が上がる。